路地裏の隙間から見上げる空が川に見え、そしてここが空に感じる。この踵、足の指十本は果たして地を踏み込んでいるのか不確かな感覚。空虚な空間に 佇む退廃の中に、強く生を感じさせる臭いを放ち、隣列するビルを繋ぐ電線の黒い糸が繋がる生命体の血管のよう。まるで人が他者と繋がりあい絡め合う かのような存在を放つ。この僅かな隙間にこぼれ落ちる自分の影がまるで消えてなくなりそうなパラレルワールド。未知の世界がすぐ隣に広がっ ているかのような倒錯感。
幾重にも折り重なるゴミの中に、確かに人の息吹が積み込まれ捨てられたゴミの集積回路。
雨に滲ん で泥にまみれて捨てられている。
――新宿歌舞伎町。
